SaaS管理ツールを導入すれば、増え続けるクラウドサービスのコストとセキュリティリスクを一元的にコントロールできます。本記事では、2026年最新のSaaS管理ツール8選を機能・料金・特徴の観点で徹底比較し、自社に最適なツールの選び方を解説します。
SaaS管理ツールとは?なぜ今必要なのか
企業のSaaS利用数は増加の一途
日本企業が利用するSaaSの数は年々増加しており、従業員300名以上の企業では平均して80〜120以上のSaaSを導入しているとされています。日本のSaaS市場は2027年に約3,030億円規模に達する見通しで、今後も生成AIツールの普及によりさらなる拡大が予測されます。
しかし、SaaSが増えるほど「誰がどのサービスを使っているのか」「月額コストの総額はいくらか」「退職者のアカウントは削除されているか」といった管理課題が深刻化します。
シャドーITとコスト肥大化のリスク
情報システム部門が把握していない未許可のSaaS利用、いわゆるシャドーITは、情報漏洩やコンプライアンス違反の原因になります。また、退職者の未削除アカウントや重複契約による無駄なコストは、企業全体で年間数百万円に及ぶケースも珍しくありません。
SaaS管理ツールは、これらの課題を一元的に解決するためのプラットフォームです。
SaaS管理ツールで解決できる3つの課題
- コスト可視化・最適化:全SaaSの契約状況と利用状況を一覧化し、未使用アカウントや重複契約を発見
- セキュリティ強化:シャドーITの検出、退職者アカウントの自動削除、アクセス権限の一元管理
- 業務効率化:入退社時のアカウント発行・削除の自動化、IT部門の工数削減
SaaS管理ツールの選び方|比較すべき5つのポイント
連携SaaS数と対応範囲
自社で利用中のSaaSに対応しているかが最重要です。主要ツールの連携数は100〜300以上と幅があります。国内SaaS(freee、kintone、Chatworkなど)への対応状況も必ず確認しましょう。
コスト管理機能の充実度
SaaS管理の目的がコスト削減なら、契約プラン・更新日の表示、利用頻度の可視化、未使用アカウントの自動検出といった機能が必須です。ツールによっては月額数千円の無駄を自動的に特定し、年間で数十万〜数百万円の削減効果を生み出します。
セキュリティ・コンプライアンス機能
シャドーIT検出機能、退職者アカウントの自動棚卸し、監査ログの出力機能などを比較しましょう。電子帳簿保存法やISMS対応が求められる企業は、コンプライアンス関連機能も重要な選定基準です。
SaaS管理ツールおすすめ8選を徹底比較【2026年最新】
主要8ツールの比較表
| ツール名 | 提供企業 | 連携SaaS数 | 初期費用 | 月額料金 | 主な強み |
|---|---|---|---|---|---|
| マネーフォワード Admina | マネーフォワードi | 310以上 | 0円 | 無料(50IDまで)/300円/ID | 連携数No.1・無料プランあり |
| ジョーシス | ジョーシス | 300以上 | 要問合せ | 要問合せ | デバイス統合管理・アウトソース |
| freee IT管理 | freee | 140以上 | 要問合せ | 要問合せ | freee連携・自動プロビジョニング |
| dxeco(デクセコ) | オロ | 非公開 | 要問合せ | 要問合せ | 利用頻度可視化・シャドーIT対策 |
| LOCKED | onetap | 7,000以上 | 要問合せ | 要問合せ | SSO連携・ID管理統合 |
| OPTiM SaaS管理 | OPTiM | 非公開 | 要問合せ | 要問合せ | MDM連携・デバイス管理 |
| YESOD | YSOデジタル・ラボ | 非公開 | 要問合せ | 要問合せ | ID統制・棚卸自動化 |
| Core Desk | 日本コンピュータ | 非公開 | 要問合せ | 要問合せ | IT資産・契約の統合管理 |
各ツールの特徴を詳しく解説
マネーフォワード Adminaは、SaaS管理ツール市場でシェアNo.1を誇ります。310以上のSaaSと連携可能で、50IDまでなら無料で利用できるスタートアッププランが魅力です。51ID以上は1IDあたり月額300円と、中小企業にも手が届く価格設定になっています。SaaSコスト削減に特化したベンダープランやITデバイス管理オプションも用意されています。
ジョーシスは、SaaSとITデバイスの統合管理に強みを持つツールです。300以上のSaaS連携に加え、PCやスマートフォンなどのデバイス管理も一元化できます。キッティングや入退社業務のアウトソーシングプランもあり、情シスのリソース不足に悩む企業に適しています。
freee IT管理(旧Bundle by freee)は、140以上のSaaSと連携し、アカウントの自動発行・削除に対応しています。freeeの会計・人事労務ソフトとの連携がスムーズで、バックオフィス全体をfreeeで統一している企業には最適な選択肢です。
dxeco(デクセコ)は、株式会社オロが提供するSaaS管理ツールです。ブラウザ拡張機能による利用頻度の可視化が特徴で、従業員ごとのSaaS利用状況を詳細に把握できます。シャドーITの検出精度が高く、セキュリティ重視の企業に向いています。
導入目的別おすすめツール|自社に合った選び方
コスト削減を最優先したい企業
コスト最適化が最重要テーマなら、マネーフォワード Adminaがおすすめです。以下の理由から、コスト面での導入メリットが最も大きいといえます。
- 50IDまで無料のプランがあり、導入コストがゼロからスタートできる
- SaaS利用状況の可視化により、未使用アカウントや重複契約を発見しやすい
- SaaSベンダーとの契約交渉を支援するベンダーマネジメント機能を搭載
セキュリティ・ガバナンスを強化したい企業
シャドーIT対策や退職者アカウント管理を徹底したい企業には、dxecoやLOCKEDが適しています。dxecoはブラウザ拡張による利用実態の把握に優れ、LOCKEDはSSO(シングルサインオン)連携によるアクセス管理の統合に強みがあります。
デバイス管理も一元化したい企業
SaaSだけでなくPC・スマートフォンなどのITデバイスまで一括管理したい場合は、ジョーシスが最適です。SaaSアカウント管理とデバイスのライフサイクル管理を1つのプラットフォームで完結でき、業務のアウトソースプランも利用可能です。
SaaS管理ツール導入の進め方|3ステップで始める
ステップ1:現状の棚卸し
まずは自社で利用中のSaaSを洗い出しましょう。各部門にヒアリングを行い、契約しているサービス名・契約プラン・月額費用・管理者・利用人数をリスト化します。この段階で「実は使っていないSaaS」や「部門ごとに別々に契約しているSaaS」が見つかることが多いです。
ステップ2:無料プラン・トライアルで検証
マネーフォワード Adminaのように無料プランがあるツールや、トライアル期間を設けているツールを活用し、自社のSaaS環境との相性を検証しましょう。連携したいSaaSが対応しているか、管理画面の使い勝手はどうかを実際に確認します。
ステップ3:段階的な導入と定着
全社一斉導入よりも、まずは情報システム部門や管理部門からスモールスタートするのが効果的です。運用ルールを整備し、効果を数値化した上で全社展開を進めましょう。導入後は月次でコスト削減額やシャドーIT検出件数をモニタリングし、継続的な改善につなげます。
SaaS管理ツール導入時の注意点
料金体系と隠れコストに注意
多くのSaaS管理ツールは「要問合せ」の料金体系を採用しています。見積もり取得時には、以下の点を確認しましょう。
- 課金単位はID数か、管理SaaS数か、固定月額か
- 連携SaaS数の追加に別途費用がかかるか
- SSO連携やAPI連携にオプション料金が発生するか
- 最低契約期間と解約条件
導入後の運用体制を事前に設計する
ツールを導入しても、運用ルールが曖昧だと効果を発揮しません。「新規SaaS契約時の承認フロー」「退職時のアカウント削除手順」「四半期ごとの棚卸し実施」など、具体的な運用ルールをあらかじめ設計しておくことが重要です。
社内のSaaSリテラシー向上も並行して進める
SaaS管理ツールだけに頼るのではなく、従業員のセキュリティ意識向上も欠かせません。未許可SaaSの利用禁止ルールの周知や、パスワード管理の徹底など、ツールと教育の両輪で対策を進めましょう。
まとめ|SaaS管理ツールでコストとセキュリティを最適化しよう
SaaS管理ツールは、増え続けるクラウドサービスのコスト可視化とセキュリティリスクの低減を実現する、情報システム部門にとって不可欠なソリューションです。
2026年現在、主要なツールの特徴をまとめると以下のとおりです。
- コスト重視ならマネーフォワード Admina(50IDまで無料、1ID月額300円〜)
- デバイス統合管理ならジョーシス(SaaS+デバイスの一元管理)
- freeeユーザーならfreee IT管理(バックオフィスとの連携がスムーズ)
- セキュリティ強化ならdxecoやLOCKED(シャドーIT検出・SSO連携)
まずは無料プランやトライアルで自社環境との相性を確認し、段階的に導入を進めることをおすすめします。SaaS管理ツールの活用で、コスト最適化とセキュリティ強化を両立させましょう。

