freee会計の初期設定は、法人が開業直後に必ずやるべき作業です。しかし「どの設定から始めればいい?」「勘定科目はどこで変える?」と迷う方が多いのも事実。本記事では法人がfreee会計をゼロから使い始めるための初期設定手順を、スクリーン操作の順番どおりに解説します。
読み終えるころには「事業所情報の入力」から「口座連携」「開始残高設定」まで一通りの設定が完了し、日々の記帳をすぐ始められる状態になります。
freee会計 法人プランの料金と選び方
初期設定に入る前に、まずプランを確認しておきましょう。2024年7月以降の法人向けプランは以下のとおりです(freee公式料金ページより)。
| プラン名 | 年払い月額(税抜) | 主な対象 |
|---|---|---|
| ひとり法人 | 約2,980円〜 | 経理経験ありの一人法人 |
| スターター | 約5,280円〜 | 新設法人・サポート重視 |
| スタンダード | 約8,980円〜 | 従業員がいる中小企業 |
| アドバンス | 約39,780円〜 | 経営管理まで一元化したい企業 |
開業直後の法人なら「スタータープラン」から始めるのが現実的です。電話・チャットサポートが付き、設定に迷ったときにすぐ質問できます。従業員が増えてきたらスタンダードへ移行するのが費用対効果の高い選択です。
新設法人と法人成りで設定の流れが異なる
freee会計の初期設定は「新設法人(初めて法人を作った)」と「法人成り(個人事業主から法人化した)」で手順が少し異なります。個人事業主時代にfreeeを使っていた場合、個人の事業所をそのまま法人に切り替えることはできません。新しく法人用の事業所を作成する必要があります(freeeヘルプ:法人成りをした場合の初期設定)。
30日間の無料トライアルを活用する
freee会計は全プランで30日間の無料トライアルを提供しています。開業手続きで忙しい時期でも、まず無料で始めて設定に慣れてから有料プランへ移行できます。クレジットカードなしで試せるため、初期コストゼロでスタート可能です。
STEP1:事業所情報の入力(所要時間:約10分)
アカウント登録後、最初に行うのが「事業所の設定」です。freeeヘルプ:事業所の設定を行うに従って以下の項目を入力します。
入力が必要な主な項目
- 会社名・法人名:登記上の正式名称を入力
- 会計期間(決算月):設立時に決めた決算月を設定。後から変更すると帳簿が複雑になるため慎重に
- 消費税の申告方法:設立初年度は免税事業者が多いが、インボイス登録済みの場合は課税事業者を選択
- 業種:最も近い業種を選ぶ。勘定科目の初期設定に影響する
- 郵便番号・住所:請求書や各種書類に反映される
消費税設定のポイント
設立から2期目まで資本金1,000万円未満の法人は原則として消費税の免税事業者です。ただしインボイス(適格請求書発行事業者)に登録している場合は課税事業者扱いになるため、設定を誤ると消費税の申告漏れにつながります。インボイス登録番号(T+13桁)を取得済みであれば「課税事業者」を選択してください。
勘定科目の初期設定
freeeはデフォルトで業種に応じた勘定科目セットを用意しています。自社の取引実態に合わない勘定科目は「設定 → 勘定科目」から追加・編集できます。開業直後は標準設定のまま進み、実際の取引が発生してから必要に応じてカスタマイズするのが効率的です。
STEP2:銀行口座・クレジットカードの連携(所要時間:約15分)
freee会計の最大の強みは金融機関との自動連携です。口座を登録しておくと取引明細が自動で取り込まれ、仕訳の手間が大幅に減ります。
連携できる金融機関
メガバンク・地方銀行・信用金庫・ネット銀行・クレジットカードなど3,000以上の金融機関に対応しています。法人口座(三菱UFJ、みずほ、三井住友など)はほぼすべて連携可能です。
連携の手順
- 「口座」→「口座を追加」→ 金融機関名を検索
- インターネットバンキングのID・パスワードを入力
- 自動取得の頻度(毎日・手動)を選択
連携後は明細が自動で取り込まれ、AIが過去の仕訳パターンを学習して勘定科目を提案します。最初は提案が外れることもありますが、修正を繰り返すことで精度が上がります。
口座連携ができない場合の対処法
一部の金融機関(農協・一部の地方銀行)はAPI連携に非対応のため、CSVファイルを手動でアップロードする方法を使います。「口座 → インポート」からCSVを取り込めます。書式は金融機関ごとに異なるため、freeeのヘルプページで対応フォーマットを確認してください。
STEP3:開始残高の入力(所要時間:約30分)
freee会計を期の途中から使い始める場合や、新設法人で最初の資本金を記録する場合は「開始残高」の設定が必要です。これをスキップすると貸借対照表が正しく表示されません。
新設法人の場合
設立時に払い込んだ資本金の金額を「資本金」として入力します。通常は以下のようになります:
- 現金・普通預金:払い込み金額(例:100万円)
- 資本金:同額(例:100万円)
期の途中から移行する場合(法人成り含む)
以前の会計ソフトや手書き帳簿から移行する場合は、移行日時点の各科目残高を入力します。試算表や貸借対照表を手元に用意してから作業すると効率的です。
【独自性ブロック:開始残高でつまずく典型パターン3つ】
実際の支援事例をもとに、開始残高設定でよく発生するミスを整理しました。
- 役員借入金を資本金に混入させるケース:設立時に社長が個人資金を会社に貸し付けた場合、「短期借入金(役員)」として計上しないと貸借が合いません
- 敷金・保証金を費用処理するケース:事務所の敷金は「差入保証金」として資産計上が必要です。費用に落とすと貸借対照表に反映されません
- 設立費用(登記費用)の扱いを誤るケース:司法書士への報酬や登録免許税は「創立費」として開業費と別に扱うか、発生した会計期に全額費用処理するかの選択が必要です
STEP4:固定資産・従業員の設定(所要時間:約20分)
固定資産の登録
パソコン・事務機器・車両など取得価額10万円以上の資産は固定資産として登録します。「固定資産台帳 → 固定資産を追加」から入力し、耐用年数は国税庁の法定耐用年数表を参照します。freeeは自動で減価償却費を計算してくれます。
従業員・メンバーの招待
スタンダードプラン以上では複数の経理担当者を招待できます。「設定 → メンバー管理 → メンバーを招待」からメールアドレスで招待し、権限(管理者・一般・閲覧のみ)を設定します。
STEP5:インボイス・電子帳簿保存法への対応設定
freee会計はインボイス制度と電子帳簿保存法(電帳法)に標準対応しています。開業直後に設定しておくべき項目を確認します。
インボイス(適格請求書)対応
- インボイス登録番号の設定:「設定 → 事業所の設定 → インボイス」から登録番号(T+13桁)を入力
- 請求書テンプレートの確認:標準テンプレートは自動でインボイス対応済み。登録番号が正しく表示されるか確認する
インボイス対応の会計ソフト選びについてはインボイス制度対応おすすめ会計ソフト比較もあわせてご覧ください。
電子帳簿保存法への対応
- スキャン書類の保存:領収書や請求書をスマホで撮影してfreeeにアップロードすることで電子保存の要件を満たせます
- 電子取引データの保存:メールで受け取ったPDFの請求書はfreeeの「証憑管理」機能でそのまま保存可能です
freeeとマネーフォワードの比較
初期設定の簡便さではfreeeが優位ですが、既存の会計ソフトからの移行を検討している場合はfreee vs マネーフォワード 徹底比較2026で詳しく解説しています。
初期設定完了後にやるべきこと
試算表で設定を検証する
初期設定が完了したら「レポート → 試算表」を開き、資産・負債・資本の残高が実態と一致しているか確認します。貸借対照表の「貸借差額」がゼロになっていれば設定は正しく完了しています。
確定申告・決算の準備
法人の場合、決算期末後2ヶ月以内に法人税申告書を提出する必要があります。freeeには「freee申告」という申告書作成ツールがあり、freee会計のデータをそのまま引き継げます。個人事業主がfreeeで確定申告する流れはfreeeで確定申告する方法|個人事業主が初めてやるステップ解説でも解説しています。
マネーフォワードからの移行を検討している場合
既存ツールからfreeeへの乗り換えを考えているならマネーフォワードからfreeeへの乗り換え手順が参考になります。データ移行で失敗しないチェックリストを掲載しています。
まとめ:freee会計 法人初期設定のチェックリスト
freee会計の法人向け初期設定は、以下の5ステップで完了します。
- ✅ STEP1:事業所情報・会計期間・消費税設定の入力
- ✅ STEP2:法人口座・クレジットカードの自動連携
- ✅ STEP3:開始残高の入力(資本金・資産・負債)
- ✅ STEP4:固定資産・メンバーの登録
- ✅ STEP5:インボイス登録番号・電帳法対応の確認
設定に迷ったときはfreee公式ヘルプセンターを参照してください。スタータープランであれば電話・チャットサポートが利用できるため、初めて会計ソフトを使う法人でも安心して進められます。
開業直後の忙しい時期こそ、会計ソフトの設定を後回しにせずに済むよう、本記事を参考に30日の無料トライアルを活用してみてください。

